【Amazing Historical Manga】LAST WALTZ review x Learn Japanese /島田虎之介 Toranosuke Shimada
- Naoto

- 2020年3月22日
- 読了時間: 6分
更新日:2022年8月4日
There are English translations of the underlined words below.
[1]
みなさんこんにちは Naoto(尚人)です。
今回はひさしぶりにめちゃめちゃおもしろい漫画を読んだので、みなさんに紹介したいと思います。
今、大人気の「鬼滅の刃」とは全く別の面白さを体験できると思います。
今回紹介する漫画は「ラスト・ワルツ」です。
[2]
「ラスト・ワルツ」は島田虎之介さんが描いた漫画で単行本は2002年に出版されたんですが、これは2014年に出版された改訂版です。
改訂版には島田さんの解題も載っています。
もともと 島田さんの最新作で、今年の文化庁メディア芸術祭の漫画部門で大賞を受賞した「ロボ・サピエンス前史」を買おうと思っていたんですが、本屋になかったので代わりに適当に「ラスト・ワルツ」を選んで買いました。
後で調べたら、これが島田さんの一作目の漫画だったので僕が読む最初の島田さんの作品としてちょうどよかったなあと思いました。
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島田さんの絵はデビュー(debut)作とは思えないほど確立していると思いました。
イラストっぽい絵で基本的にとてもかわいい絵なので、暗いエピソードもあるんですがこの絵のおかげであんまり暗い気持ちにならなかったと思います。
また、シーン(scene)の変わり目で前のシーンのコマの左側に次のシーンのセリフを入れる手法はすごいドラマや映画っぽいなぁと思いました。
声だけ先に聞こえてくる感じです。
[4]
でもなんといっても、僕が一番驚いたのはストーリー構成です。
最初の方のエピソードはそれぞれ別の話なので短編集みたいな感じな んですが、
後半になると一気にストーリーが一つにまとまって壮大なテーマが見えてきます。
こんな構成の漫画は今まで読んだことがなかったので、まずそれが一番の驚きでした。
漫画の最後の解題によると島田さんはカート・ヴォネガットの小説「猫のゆりかご」から着想を得たみたいなので、もしかしたらその小説もこのような構成かもしれないです。
解題を読むと、島田さんの膨大な知識量に圧倒されます。
小説や史実からの引用数がハンパじゃないと思いました。
でも天使が出てくるシーンのあるカットは「攻殻機動隊」のアイディアなのかなと思ったんですが、それは解題には書かれていなかったので偶然似てしまったのかどうなのかちょっと知りたいです。
[5]
前半部分の短編集のようなそれぞれのエピソードには実際の歴史上の人物や出来事が出てきます。
ナチスやガガーリン(Gagarin)、 チェルノブイリ(Chernobyl) やジョージ・ワシントン(George Washington)などです。
なので、最初に読んだときは「漫画で読む世界の歴史」みたいな漫画なのかなと思いました。
ですが、明らかにフィクション(fiction) だとわかる部分もあるのでどこまでが本当でどこからが嘘なのかなと思いながら読んでいました。
ブラジル製のバイクの話や宇宙に行けなかった元宇宙飛行士の話、そしてチェルノブイリ事故で生き残った消防士の話などです。
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さらに漫画の中のあるキャラクターが書いたSF(エスエフ)小説の話もあります。
そのSF小説にも歴史上の人物が出てきます。
なので、私たちがいる世界、「ラスト・ワルツ」の中の世界、「ラスト・ワルツ」の中の小説の中の世界、この3つの世界、3つのパラレルワールドを私たちの意識は行ったり来たりすることになります。
すごい複雑な構成なんですが読んでいて複雑とは感じなかったので、そのテクニックも素晴らしいなと思いました。
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そして後半から終盤にかけて徐々に壮大なテーマ(theme)の漫画へと変貌して行くんですが、同時に辛辣な風刺も描かれていると思いました。
英雄の物語が本人の意図しないところで利用されたり、語られている物語が実は企業が作ったものだったり、現代の物語の扱われ方に対する風刺のようなシーンが描かれていると思いました。
それとは別にメディアや周りの空気に流される大衆も描かれていて、そのシーンも風刺ととらえることができると思います。
最も印象的だったのはあるキャラクターが共産主義が目指すユートピアを否定しているシーンです。
SFの要素も入れつつ実在の人物も出てくるこのシーンは「ラスト・ワルツ」の中の一つのハイライトだと思います。
もちろん読む人によってはこのシーンに対する批判があるかと思いますが、このシーンが「ラスト・ワルツ」の批評性を高めていることは間違いないと思います。
[8]
この作品では歴史の陰に隠れた「語られざる人生」をいくつも読むことができます。
それが本当にあったことなのかすべて島田さんの創作なのかを確かめるためにインターネットで色々調べていたんですが、その過程で歴史そのものへの興味も湧いてきました。
「語られている物語」も少しずつ勉強していこうと思います。
[9]
これからもyoutubeであんまり語られていない漫画を紹介していきたいと思いますので、もしよろしければチャンネル登録をお願いします。
この動画のスクリプトと単語リストも下のリンク先で見ることができますので、ぜひ見てみてください。
ではまた次回お会いしましょう。
じゃ〜ね〜。
[1]
ひさしぶりに after a long time
めちゃめちゃ extremely/totally
全く(まったく) really/truly/entirely
体験(たいけん)する experience
[2]
単行本(たんこうぼん) book [not magazine]
出版(しゅっぱん) publish
改訂(かいてい) revision
~版(ばん) version
解題(かいだい) bibliography
載る(のる) appear (in print or website)
もともと originally
最新(さいしん)の the newest/the latest
~作(さく) work
文化庁(ぶんかちょう) Agency for Cultural Affairs
芸術祭(げいじゅつさい) art festival
部門(ぶもん) department/division
大賞(たいしょう) award/grand prix
受賞(じゅしょう)する win (a prize)
前史(ぜんし) prehistory
適当(てきとう)に randomly
~目(め) [ordinal number suffix]
作品(さくひん) work
ちょうどいい perfect/just right
[3]
~ほど(N3) to the extent that~
確立(かくりつ)する establish
イラスト illustration
っぽい(N3) -ish/-like
基本的(きほんてき)に generallybasically
~のおかげで(N3) thanks to~
変わり目(かわりめ) turn/change/transition
コマ panel/frame
~側(がわ) ~side
セリフ line/phrase
手法(しゅほう) technique
先(さき)に earlier/ahead
[4]
何と言っても(なんといっても) After all
構成(こうせい) construction/composition
短編集(たんぺんしゅう) collection of short stories
後半(こうはん) latter half/second half
一気(いっき)に all at once/rapidly
まとまる be collected/bunched
壮大(そうだい)な grand/magnificent
驚き(おどろき) surprise/amazement
ゆりかご cradle
着想(ちゃくそう) idea
得る(える) get/acquire/obtain
もしかしたら perhaps/possibly
膨大(ぼうだい)な enormous/huge
圧倒(あっとう)する overwhelm/overpower
史実(しじつ) historical fact
引用(いんよう) reference/quotation
~数(すう) the number of~
ハンパじゃない awesome/incredible
天使(てんし) angel
ある~ certain/one
カット cut
偶然(ぐうぜん) by coincidence
[5]
前半(ぜんはん) the first half
歴史上(れきしじょう)の historical
ナチス Nazi
~製(せい) ~made
宇宙(うちゅう) the universe/space
元(もと)~ former~/ex~
宇宙飛行士(うちゅうひこうし) astronaut/cosmonaut
生き残る(いきのこる) survive/outlive
消防士(しょうぼうし) fire fighter
[6]
さらに furthermore/moreover
パラレルワールド parallel world
意識(いしき) consciousness
行ったり来たり go back and forth
[7]
終盤(しゅうばん) final stage[phase]
~にかけて through/from-till-
変貌(へんぼう)する change/transform
辛辣(しんらつ)な bitter/sharp
風刺(ふうし) satire
英雄(えいゆう) hero/heroine
意図(いと)する intend/aim
利用(りよう)する use/make use of
語る(かたる) narrate/tell/talk
企業(きぎょう) company/business
現代(げんだい)の modern
~に対する(たいする) toward~/on~
それとは別に Besides that/Aside from that
流される be influenced/swayed
大衆(たいしゅう) general public/the masses
とらえる consider/perceive
印象的(いんしょうてき)な striking/impressive
共産主義(きょうさんしゅぎ) communism
目指す(めざす) aim for/at
ユートピア utopia
~つつ(N2) while~/ ,~ing
実在(じつざい)の actual/real
ハイライト highlight
批判(ひはん) criticism
批評性(ひひょうせい) worth reviewing/deepness
高める(たかめる) raise/heighten
[8]
陰(かげ) shade/shadow
~ざる(N1)(≒ない) not
創作(そうさく) fiction/creation
過程(かてい) process
そのもの (in) itself
湧く(わく) well up/appear
[9]
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